「ほぐしてもらった日は軽いのに、三日もすれば肩こりが元に戻る」
施術の現場で、よくお客様から聞くお悩みのひとつです。
リラクゼーションセラピストとして10年間、デスクワークの方の肩や首に触れてきました。
その経験からお伝えしたいのは、戻ってしまうのは、ケアの仕方が悪いからではなく、肩こりを起こしている条件がデスクの前にそのまま残っているからです。
- デスクワークで肩がこる、3つの原因
- 机・椅子・モニターの高さの合わせ方
- 席にいたまま今日からできる対処法
- ほぐしても戻ってしまうときに、次に見直すところ
- セルフケアではなく、整形外科を考えたほうがよい症状
読み終えるころには、「なぜ戻るのか」の見当がつき、自分がどこから手をつければいいかの順番が決まっているはずです。
なお本記事は、首の付け根から肩の上にかけての重さ・つらさを扱っています。肩甲骨と肩甲骨の「あいだ」が痛む場合は、原因になる筋肉が変わってきますので、こちらの記事もあわせてご覧ください。


デスクワークの処方箋 編集部
- 現役リラクゼーションセラピスト
- 2016年から累計10,000時間の施術実績有り
- 日本リラクゼーション業協会 認定試験1級保持
デスクワークによる肩こりが起こる3つの原因
肩こりは、首・肩・背中・胸まわりの筋肉の疲れが重なって起こるもので、原因を一つに特定するのが難しいです。ここでは、そのなかでもデスクワークでとくに起こりやすい3つを取り上げます。
この3つは別々に起きているのではなく、順番につながっているのです。
原因1|頭を支える筋肉が、力を抜けないまま固まっている
まず、直接的な原因は頭を支える筋肉が、力を抜けないまま固まることです。
パソコンに向かっているあいだ、首の付け根から肩にかけての筋肉(僧帽筋の上のほうや、肩甲挙筋)は、頭が前に倒れないように支え続けています。
腕を動かしていても、これらの筋肉自体はほとんど動きません。つまり、同じ長さのまま、力だけを出し続けている状態です。
水を含んだスポンジを、ぎゅっと握ったまま何時間も持っているところを想像してみてください。握りしめているあいだ、中の水は外に出ていけません。
緊張し続けている筋肉は中を通る血流が滞り、疲労物質が流れていきにくくなります。この状態が続くと、「重だるさ」や「こり」として感じられるようになります。

つまり、筋肉は「使いすぎ」だけでなく「力を抜けないこと」でも疲れるということです。デスクワークのように動かない仕事でも肩はこります。
原因2|頭が前に出る姿勢で、支える負担が大きくなる
猫背の状態で座る際に、頭が前に出る姿勢になりがちではないでしょうか。このとき、首肩を支える筋肉に負担がかかっているのです。
重い荷物を身体にぴったりつけて持つのと、腕を前に伸ばして持つのとでは、同じ重さでもつらさが違います。頭も同じで、背骨の真上にあるうちは骨が支えてくれますが、画面をのぞき込むように前へ出ると、その重さを首の後ろから肩にかけての筋肉が引っぱって支えることになります。
つまり、「力を抜けない状態」が、姿勢によってさらに重い負担になってしまいます。

頭が前に出る姿勢は、本人の意識の問題というより、机まわりの環境で決まっている場合がほとんどです。いくら座り方を意識しても、画面が低いところにあれば頭は前に出てしまいます。
姿勢が崩れない机まわりの配置の工夫が鍵となります。
原因3|肩甲骨まわりの前後バランスが崩れている
次に肩甲骨まわりの前後バランスが崩れることで、「ほぐしても戻る」が起こりやすくなります。
肩甲骨は、背中の上に置かれているだけの骨で、まわりの筋肉に支えられて位置を保っています。ところが、長時間座って腕を前に出し続けていると、この前後のバランスが少しずつ崩れていきます。
具体的には、次のとおりです。
- 前側は縮んだままになる
- 後ろ側(僧帽筋の中部・下部、前鋸筋)は使われず、肩甲骨を支える力が落ちる
前側については、胸の筋肉を分けて考えるとわかりやすくなります。
小胸筋は、胸の奥にあって肩甲骨に直接ついている筋肉です。小胸筋が縮むと、肩甲骨そのものが前へ引っぱられます。
一方、表層にある大胸筋は肩甲骨ではなく腕の骨につくため、縮むと腕が内側に巻き込まれ、結果として肩が前に出て見えます。
役割は違いますが、どちらもデスクワークで腕を前に出し続けているうちに縮みやすい筋肉です。肩甲骨が前へ引かれ、後ろから支える力が落ちると、その分の負荷を肩をすくめる方向の筋肉(僧帽筋の上部)が肩代わりします。すでに疲れている筋肉に、さらなる負担がかかるのです。

つまり、気になる箇所は肩の上でも、アプローチすべき箇所は胸の前と肩甲骨の下で、位置関係が異なります。肩の上だけをほぐしても、支える力が戻っていなければ、また同じ筋肉が肩代わりを始めてしまうのです。
かい施術で「肩が痛い」とおっしゃる方の胸の前に触れると、ご本人が驚くほど硬くなっていることがあります。
ご自身で確かめるなら、鎖骨の下あたりを軽く押してみてください。
肩より先にそこが痛む方は、前側から引っぱられている可能性があります。
まず見直したいデスク環境|モニター・椅子・机の高さ
頭が前に出るかどうかは、姿勢の意識よりも、机まわりの配置で決まります。ストレッチより先にデスク環境を改善するのがおすすめです。
厚生労働省は、パソコン作業をする人の作業環境について「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」(令和元年7月12日付け基発0712第3号)を出しています。
このガイドラインの記載とあわせて、私がこれまで見てきたなかで変化の大きかった順に、3つをお伝えします。
モニターの高さ|画面の上端が、目線と同じか少し下
モニターの高さのポイントは、 画面の上端を目線と同じか少し下に合わせることです。
画面の上端が目線より低いと、視線を落とすために自然と頭が前に出てしまいます。「頭が前に出る姿勢」が、デスク環境だけで作られてしまうのです。
厚生労働省のガイドラインにも、ディスプレイについて「画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい」と書かれています。あわせて「おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにし」とも記されているので、画面の上端は目線と同じか少し下、画面までの距離は40cm以上が一つの目安です。


とくに注意したいのが、ノートパソコンを机に直置きしている場合です。画面と手元が同じ高さにある以上、うつむかずに使うことができません。
そのため、ノートパソコンの場合はスタンドや台で本体を持ち上げ、キーボードとマウスを別に用意するのがいちばん確実です。 本や箱を重ねるだけでも、まずは変化がわかります。


椅子と机の高さ|肘が身体の横で支えられているか
椅子と机の高さのポイントは、肘が体の横で支えられる状態をつくることです。
肘がどこにも支えられていないと、腕の重さは肩からぶら下がる形になり、その分を肩の上の筋肉が引き上げ続けることになります。「気づくと肩に力が入っている」という状態は、ここから来ていることが少なくありません。
ガイドラインでも、座り方について「椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること」とされ、足が届かない場合には「すべりにくい足台を必要に応じて備えること」と書かれています。椅子については「必要に応じて適当な長さの肘掛けを有していること」という記載もあります。


まとめると次のとおりです。
- 座ったとき、足の裏全体が床につく高さに椅子を合わせる
- 足が浮くなら足台を使う
- 肘が体の横に自然に下り、前腕が机や肘掛けに乗る状態にする
ただし、机や椅子の高さについて、ガイドラインは「作業者の体形にあった高さ」とするだけで、具体的な数値は示していません。人によって適した高さが違うためです。
そのため、まず足の裏を基準に椅子を決め、それから机や肘掛けとの差を埋めてください。 この順番だと迷いにくいのでおすすめです。
チェックポイントは肘が身体の横に自然に下りていることです。
キーボードとマウスの位置|身体から遠ざけない
キーボードとマウスの位置で重要なポイントは、肘を身体の横につけたまま操作できる位置に置くことです。
とくに多いのが、キーボードは近いのにマウスだけが遠いというケースです。
キーボードやマウスが身体から遠いと、腕を前に伸ばさないと操作できません。腕が前に出れば肩も前に出て、「肩甲骨が前へ引かれた状態」を、仕事中ずっと自分で作り続けることになります。
だから、片側だけ肩が重い方は、まずマウスの位置を疑ってみる価値があります。


一度、キーボードとマウスを手前に引いてみてください。操作しているあいだ、肘が身体から離れなくなれば、それが合っている位置です。



「姿勢に気をつけているのに変わらない」という方に伺うと、モニターが低いままのことが多いです。意識より先に、机を見てみてみましょう。
今日からできる肩こり対処法3選
環境を整えるまでのあいだ、溜まっていく緊張はこまめに抜いていくのがおすすめです。ここで紹介するのは、すべて席に座ったまま実践できるものです。
その場で楽になるためのものなので、根本的な解決は後半でお伝えします。まずは肩が重いと感じたときに使ってみてください。
肩を「寄せる」より「下げる」を30秒
肩こりというと肩甲骨を寄せる動きを思い浮かべる方が多いのですが、デスクワークで固まりやすいのは「肩が上がったまま」の状態です。寄せる前に、まず下げます。
- 背もたれから少し離れて座り、両手を太ももの上に置きます
- 息を吐きながら、両肩を耳から遠ざけるように、まっすぐ下へ引き下げます
- そのまま30秒キープします
胸を張ろうとしなくて大丈夫です。肩を下げる意識だけで、僧帽筋の下部が働きやすくなります。この筋肉が使えていると、肩をすくめる方向の筋肉はゆるみやすくなります。


あご引き(チンタック)を10回
頭が前に出た位置をリセットする動きです。
- 椅子に深く座り、正面を向きます
- あごを引いて、頭をまっすぐ後ろへ平行移動させます(うなずくのではなく、二重あごを作るイメージです)
- 3秒キープして戻します。これを10回
うなずくように顎を下げると、首の後ろが伸びるだけで狙いが変わってしまいます。あくまで水平にスライドさせるのがポイントです。首に痛みやしびれが出る場合は中止してください。


肩をすくめて5秒、一気に脱力
短い時間ででき、変化を感じやすい方法です。
- 息を吸いながら、両肩を思いきり耳に近づけて5秒キープします
- 息を吐きながら、支えを外すように一気に力を抜きます
- これを3回繰り返します
固まった筋肉は、伸ばそうとしてもうまく伸びないことがあります。一度しっかり力を入れてから抜くほうが、抜けた感覚がはっきりわかりやすいです。


タイミングの目安として、先ほどの厚生労働省のガイドラインでは、パソコン作業について「一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分〜15分の作業休止時間を設け、かつ、一連続作業時間内において1回〜2回程度の小休止を設けるよう指導すること」とされています。
1時間ごとに区切り、その合間にも肩を動かす頻度が一つの基準になります。



「これだけで肩こりはなくなりますか」と聞かれることがあります。正直にお伝えすると、この種の動きだけで悩まなくなった方を、私は10年間で見たことがありません。ただ、力が入っていることに気づけるようになった方は、その後の変化が早いと感じています。
睡眠中の姿勢も、肩こりを長引かせる
中には、朝起きた時点ですでに肩が重いという方もいるかと思います。その場合、睡眠時の姿勢を改善してみるのがおすすめです。
首の付け根から肩にかけての筋肉は、日中ずっと頭を支えて緊張しています。本来、その緊張が解けるのが横になっているあいだです。
ところが枕の高さが合っていないと、首が不自然な角度で固定され、眠っているあいだも同じ筋肉が働き続けることになります。回復にあてるはずの時間で回復できないまま、翌朝また同じ状態から一日が始まる、というわけです。
「日中のケアは続けているのに、朝がいちばんつらい」と感じている方は、寝具を見直したほうが、変化が早いことがあります。


枕の選び方は、高さ・素材・寝返りのしやすさなど見るべき点が複数あるので、別記事にまとめています。


もちろん、枕を変えれば肩こりがなくなるというものではありません。日中の環境と対処法があってこその睡眠環境です。
睡眠は一日のうち6〜8時間を占めます。ここが崩れていると、日中に整えた分が持ち越せません。



施術時に「朝と夕方、どちらがつらいですか」と伺うことがあります。同じ肩こりでも、時間帯によって入口が変わるからです。
「運動不足」も隠れた原因
すぐに元に戻ってしまう状態から抜け出すには、肩甲骨を後ろから支える筋肉を鍛えるのも有効です。ここで迷いやすいのが、「どのトレーニングをやればいいのか」という点です。
まずは、ストレッチだけでは足りない理由からお話しします。
伸ばしても力が戻らない筋肉がある
長時間座って腕を前に出し続けていると、肩甲骨まわりは前が縮み、後ろが弱るという形でバランスを崩していきます。このうち前側の縮みは、ストレッチである程度ゆるめられます。
しかし後ろ側は、縮んでいるのではなく弱っています。弱った筋肉は、伸ばしても力が戻りません。必要なのは、伸ばすことではなく使うことです。
肩甲骨を支える筋肉を使うトレーニング
肩甲骨を後ろから支えているのは、僧帽筋の中部・下部です。ここに負荷をかけられると、肩をすくめる方向の筋肉が肩代わりする必要が減っていきます。
しかし、これらの筋肉は日常の動作ではほとんど出番がありません。デスクワークは腕を前に出す動作ばかりで、後ろへ引く場面がないからです。意識して負荷をかける機会をつくらないかぎり、弱ったままになります。
そこで次のようなトレーニングがおすすめです。
- シーテッドロー(座って引く動作。僧帽筋中部)
- フェイスプル(顔の高さへ引く動作。後部三角筋・僧帽筋中部)
- プローンY/Yレイズ(うつ伏せで腕をY字に上げる。僧帽筋下部)


プローンYは床があればできますが、シーテッドローとフェイスプルはマシンやチューブが必要です。
一方、背中のトレーニングとしてよく知られるラットプルダウンは、主に働く筋肉が広背筋です。背中全体は使いますが、ここで挙げた筋肉への負荷は小さいため、今回は入れていません。「引く」動作なら何でもいいわけではないのです。
自己流でやると、逆効果になることがある
これらのトレーニングは、肩がすくんだまま行うと、狙った筋肉ではなく僧帽筋の上部を使ってしまうことがあります。つまり、肩こりを軽くするつもりが疲れている筋肉を使い込むことになります。「ジムに通い始めたら肩こりがひどくなった」という話の多くが、このパターンです。
しかも、肩がすくんでしまうのは無意識の動作なので気づきにくいです。鏡を見ながらでも、引く動作の最中は視線が下がるため自覚するのは難しいでしょう。
だからこそ、最初の数回だけでも人に見てもらうのがおすすめです。hacoGymは、パーソナルトレーニングを500円で体験できるので、まずはフォームを見てもらう目的で使うことができます。予約のときに「肩がすくんでいないか見てほしい」と伝えておくと、その日の内容もそこに寄せてもらいやすくなります。
\当日予約も可能/



施術中に「力を抜いてください」とお伝えしても、抜けていない方がいます。
ご本人は抜いているつもりです。動いているときは、なおさら自分では分かりません。
ほぐしても解決しない肩こり|整形外科を考える目安
ここまでの内容は、あくまで「筋肉の疲れとしての肩こり」を前提にしたものです。
ただ、肩や首の症状のなかには、ほぐしても意味がないどころか、避けたほうがいいものがあります。 肩こりだと思っていた症状が、実は首の神経の問題だった、というケースです。
ここは自己判断が難しいので、目安をはっきりさせておきます。
整形外科の受診を考える症状
こりや重さではなく、しびれや力の入りにくさがある場合は、ほぐす対象ではありません。
- 肩から腕にかけて痛みが出る
- 腕や手指、足にしびれが出る
- 首を後ろへそらすと痛みが強くなる。上を向く、うがいをするのがつらい
- 腕に力が入りにくい、感覚が鈍い
- ボタンのかけ外し、箸を使う、字を書くといった手先の動作が不器用になった
- 歩くときに脚がもつれる、階段で手すりを持つようになった
これらは、日本整形外科学会が頚椎症性神経根症・頚椎症性脊髄症の症状として挙げているものです。いずれも首の神経が圧迫されて起こるもので、原因が筋肉ではありません。
受診をおすすめしている場合
ここからは学会の記載ではなく、私の経験に基づいた判断基準です。次のような場合は、施術より先に受診をおすすめしています。
- 転んだ、ぶつけたなど、けがのあとから始まった痛み
- 安静にしていても強い痛みが続く、夜眠れないほど痛む
- 片側だけが急に強くなった、これまでと明らかに様子が違う
当てはまるものがなければ、ここまでの対策を続けて問題ありません。ひとつでも思い当たるなら、ほぐす前に一度診てもらってください。



私のところにいらっしゃる方の多くは、先に医師に診てもらってから来店されます。痛みが強いときほど、その順番が安心です。
肩こり対策におすすめのグッズ3種類
ここまでに挙げた対策のうち、道具があると続けやすくなるものを3種類に絞りました。 ストレッチや枕など、すでにお話ししたものは省いています。
優先度の高い順に並べています。
ノートPCスタンド/モニターアーム
最初に用意したいのが画面の高さを変える道具です。
画面の上端を目線の高さに合わせられるかどうかで、頭が前に出るかどうかが決まります。ノートパソコンを直置きしたままでは、その高さに調節できません。
- 高さが十分に上がるか(座高には個人差があるので、調整幅が広いほうが安全です)
- 打鍵時にぐらつかないか
- 外付けキーボードとセットで使えるか


モニターアームは、すでにデスクトップ環境がある方向けです。デスクの天板の厚みとクランプの対応範囲を、購入前に確認してください。
肘を支えるもの(肘掛け付きチェア/後付けアームサポート)
腕の重さを肩から下ろすための道具です。椅子を買い替えなくても、肘を支える場所はつくれます。
厚生労働省のガイドラインでも、椅子について「必要に応じて適当な長さの肘掛けを有していること」とされています。肘掛けがない場合は、デスクに後付けするアームサポートという選択肢があります。
- 肘掛けは高さが調整できるものを選ぶ(固定式だと肩がすくむ高さになることがあります)
- 後付け型は、天板の厚みと奥行きが合うか確認する
- 肘を置いたときに、肩が上がらず、下がりすぎもしない高さに合わせる


今の椅子に不満がなければ、後付けのアームサポートから試すのが手軽です。
温めるもの(蒸しタオル・ホットパック)
筋肉の緊張からくる肩こりなら、冷やすより温めるほうが適切です。 血流が滞っていることが背景にあるためです。
- 繰り返し使える電子レンジ対応のホットパックが手軽
- 職場で使うなら、電源不要で肩に乗せられる形状のもの
- 使い捨ての温熱シートは、衣類の上から貼るタイプを選ぶと低温やけどのリスクを下げられる


ただし、ぶつけた直後や、熱を持って腫れているときは温めないでください。
何から買うか迷ったら
優先順位は次のとおりです。
| 何のために使うか | 優先度 | |
|---|---|---|
| ノートPCスタンド/モニターアーム | 画面の高さを目線に合わせるため | 高 |
| 肘掛け・アームサポート | 肘を支える場所をつくるため | 中 |
| 温めるもの | 肩を温めるため | 中 |
1つだけ選ぶなら、画面の高さを変えるものがおすすめです。3種類のなかで、頭が前に出る姿勢を唯一改善できるからです。



マッサージ機を買ったけれど使わなくなった、という話は本当によく伺います。一度合わせれば済むものから買うほうが、長期的に安くつきます。
肩こりに関するよくある質問
実際によく聞かれる質問と、検索されている質問から6つを選びました。
- デスクワークで肩こりがひどいときは、どうしたらいいですか?
-
まず、しびれや手先の不器用さがないかを確認してください。あれば整形外科へ、なければ机まわりの環境を整えることから始めてください。
ストレッチはその場で楽になりますが、環境が変わらなければまた戻ります。「環境 → こまめなリセット → 運動」の順番で進めてみてください。
- 肩こりを防止するグッズは何がありますか?
-
画面の高さを変えるもの(ノートPCスタンド・モニターアーム)と、肘を支えるもの(肘掛け・アームサポート)の2つが軸になります。
どちらも、一度設置すれば意識する必要がありません。
- 肩こりがひどいとき、温めるべきですか?
-
筋肉の緊張からくる肩こりであれば、温めるのが適切です。 血流が滞っていることが背景にあるためです。
ただし、ぶつけた直後や、熱っぽく腫れている場合は温めないでください。また、しびれを伴う場合は温めても改善しないことが多く、原因が別のところにある可能性があります。
- デスクワークで肩こりしない方法はありますか?
-
まったくこらない方法はありません。座って画面を見る以上、頭を支える筋肉は働き続けるからです。
それでも、画面の高さを合わせ、肘を支え、1時間ごとに一度リセットする。この3つが揃っていると、同じ仕事量でも疲労が軽減されます。
- デスクワークで肩こりになるのはなぜですか?
-
筋肉が動いていないのに、力を出し続けているからです。
重いものを持つような「使いすぎ」ではなく、頭を支えたまま固定される状態が長く続くことで、筋肉のなかの血流が滞ります。動かない仕事なのに疲れるのは、このためです。
- デスクワークで肩こりにならない座り方はありますか?
-
あります。
厚生労働省のガイドラインでは、「椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること」とされています。
ただ、座り方を意識するだけでなく、机まわりの整備も必要です。
まとめ:肩こりは、ほぐす側ではなく支える側を変えると戻りにくくなる
デスクワークによる肩こりが戻ってしまうのは、ケアが足りないからではありません。こりを生んでしまう条件そのものが変わっていないからです。
この記事では、その条件を3つに分けて紹介しました。
- 頭を支える筋肉が、力を抜けないまま固まっている
- 頭が前に出る姿勢で、支える負担が大きくなる
- 肩甲骨まわりの前後バランスが崩れている
このうち①と②は、机まわりの配置で決まります。画面の上端を目線の高さに合わせ、肘を支える場所をつくる。一度合わせてしまえば、あとは意識する必要はありません。そのうえで、1時間ごとに一度、肩の力を抜く時間を作ってください。
朝いちばんに肩が重い方は、日中の対策より先に枕の見直しがおすすめです。


「支える力が落ちている」は、伸ばしても戻りません。弱った筋肉に必要なのは、伸ばすことではなく使うことです。ただし自己流で肩がすくんだまま行うと、狙った筋肉ではなく僧帽筋の上部を使ってしまい、逆効果になることがあります。一度でもいいのでプロにフォームを確認してもらうとよいでしょう。
\まずはフォームを見てもらうだけでも/
なお、しびれ、力の入りにくさ、手先の不器用さがある場合は別です。筋肉ではなく首の神経の問題である可能性があるので、整形外科を受診する必要があります。
ほぐすだけでは、また同じところが張ってきます。肩甲骨を支える筋肉が使えるようになると、そもそも張りにくくなります。



ただ肩だけをほぐした方より、机まわりの環境を実際に変えた方のほうが肩の状態がよい印象があります。






