例えばテストの場合、全ての範囲を覚えようとしたりもしくは時間がなくて一夜漬けをした経験はないでしょうか?また、仕事で周りから頼まれた仕事を全て引き受けるが故に中途半端になってしまった経験ってないでしょうか?私も含めてこのような人ってかなり多い気がします。
それに関連して『エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする(グレッグ・マキューン 著 高橋璃子 訳、かんき出版』ではこれらの行動に陥っている人は非エッセンシャル思考だと括られています。
>「何もかもやらなくては」とう考え方をやめて、断ることを覚えたとき、本当に重要な仕事をやりとげることが可能になるのだ。自分の生活を振り返ってみてほしい。よく考えずに仕事を引き受け、「何でこんなことをやっているのだろう」と不満に思うことはないのだろうか。相手の機嫌を損ねないためだけに依頼を引き受けていないだろうか。イエスと言うことに慣れすぎて、思考停止していないだろうか?また、忙しすぎてすり減っていると感じることはないだろうか。働きすぎなのに成果が出なかったり、どうでもいい作業に追われて仕事ができないと感じたことはないだろうか。つねに走りつづけているのに、どこにもたどり着けないような気がしないだろうか?ひとつでも思い当たることがあるなら、エッセンシャル思考を試してみたほうがいい。(20ページ)
私も含めて、現代人は本当にたくさんの仕事を抱えて忙しい方が多いと思います。しかし、その忙しさのせいで本当にやらなければならないことが見えなくなってしまってる人ってかなり多いと思います。
今日はエッセンシャル思考の基本的な考え方とPart4「しくみ化の技術」について紹介していきます。
Ⅰ.エッセンシャル思考の基本的な考え方
そもそもエッセンシャル思考とは、仕事などで成果を出すために自分の時間とエネルギーを最大限に発揮するための考え方です。
本書のキーワードとして「選択」、「ノイズ」、「トレードオフ」の3つがあります。
「選択」、自分の選択は自分の意思で決めなければならない
>私たちは長いあいだ、選択の外的側面(どんな選択肢があるか)にばかり目を向けて、選択の内的側面(選ぶ能力)を見過ごしてきた。この違いは重要だ。選択肢(物)を奪うことはできても、選ぶ能力(自由意志)を奪うことは不可能である。(53ページ)
自分も含めて今の人は選択することを放棄している。特に仕事ができる人ほどこの傾向が多いと本書で書かれています。なぜなら、仕事ができるが故に全部やらなければいけないと錯覚しがちになってしまう。つまり、自分で仕事を選ぶことができなくなってしまい、他人の言われるがままになってしまっているのだという。日常的な例でいうと、レストランで食事をするときにメニューを見てずっと迷っている人がいる。迷った挙句、一緒に行った人と同じメニューを頼んでしまう。
全てを自分の意思で決めてしまうことは無理だとしても、本当に必要なことまで他人に決められる権利はないと本書では書かれています。
「ノイズ」、この世の8割は無駄なもので占められいている
具体的にノイズというのは、情報や常識といった考え方を指している。さらに本書ではパレートの法則についても言及しており、結果の8割は2割の努力からきている。つまり、努力は非常に大切だがどこに全力を注いでいくかを吟味しなければ努力は無駄になってしまうのだという。エッセンシャル思考を身につけていくには常にこういった法則があることを頭の片隅にでも置かなければならない。
>万物の大半はほとんど価値がなく、ほとんど成果を生まない。少数のものだけが非常に役立ち、大きな影響力を持つ。ーリチャード・コッチ(起業家・コンサルタント)(58ページ)
「トレードオフ」、何かを選ぶ代わりに何かを失うことを忘れてはならない
私自身もトレードオフから目をそらしくなる時がある。しかし、2兎追うものは1兎も得ずというように決して欲張ってはいけない。
その現実から目を逸らさずに、何に全力を注げばいいかを吟味しいていく必要がある。
>何かに「イエス」と言うことは、その他すべてに「ノー」と言うことなのだ。何かを選ぶとことは何かを捨てること。この現実を受け入れない人は、コンチネンタル航空と同じ運命をたどることになる。中途半端に片足ずつ突っ込んで、あれもこれも失うことになるのだ。(72ページ)
Ⅱ.Part4「しくみ化の技術」
エッセンシャル思考の人は決して努力と根性だけで取り組もうとしない。少しでも楽にできるように自動化していると本書では言及している。
自動化していくにはどのような点に注目をしているのだろうか?そのポイントを5点まとめていく。
①準備を徹底的にやること
ポイントは不測の事態は起きるのであり、最小限に緩和できるよう想定していくこと。準備をする上で、人は順調に行ったパターンを想定して計画を立てることが多い。
というのも、人間は周りからよく見られたいという願望が強いため、計画を立てる上でもしものことを考えて準備をしない傾向がある。ある実験ではそれをしなかった人は想定以上に時間がかかっているデータがある。本書では計画を立てる上で想定する時間の1.5倍は時間を見積もった方が良いと言及している。
決して全てが思い通りにいくとは限らないということを念頭に置いて行動しなければならない。
②邪魔になるものを知りそれを排除すること。
そのときに重要となるポイントは、そのときに出てくる障害がなんなのかをはっきりさせて、どのように距離を取っていくべきなのかを考えていく必要がある。
③まずは小さく早く取り組む。
つまづいてしまうパターンとして、一気にあれもこれもやろうとするからおかしくなってしまう。お笑い芸人の西川清ではないが、「小さなことからコツコツと」という言葉があるがとてもぴったりなエッセンシャル思考な考え方だと思った。
④取り入れたい習慣の前にいつもすることに注目する
習慣を変えるというのは簡単なことではない。しかし、コツコツと練習を重ねていけばどんなことでも習慣化することは可能であると本書では言及している。
コツをしては、その習慣をする際のトリガーを決めることが大事である。つまり、やりたい習慣を行う前のきっかけとなるものを作るということ。例えば、私の場合仕事が終わった後にジムに寄る(取り入れたい習慣)。車で帰ることをトリガーにして、確実にその習慣をできる状態にしておくこと。慣れてくるまでもちろん時間はかかるかもしれないが、このように自動化していくことこそが習慣をつくるうえで非常に重要なポイントとなっていく。
⑤自分の優先順位を確認する作業、または今に集中するためのトレーニング
エッセンシャル思考の人は今この瞬間に集中する。逆に、過去や未来にとらわれないようにしている。じゃあ、具体的にはどうすれば良いか?具体的に、寝る前に今やることリストを紙に書く。つまり、今の自分の優先順位を再確認する作業が必要だということ。他にも、マインドフルネスつまり瞑想をして今この瞬間に意識を向ける訓練もエッセンシャル思考を日常生活に取り入れるコツになるだろう。
エッセンシャル思考になることも含めて身につけていくにはやはり慣れと時間が最初はかかります。その時間をトレードオフとして考え、これからの人生のヒントになればと思います。
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