1位は一握りの天才にしかなれないものではない。
それに関連して『1位思考 後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣(猿渡 歩 著 ダイヤモンド社』では、後発でも1位になる習慣について大きく6つ紹介している。
今日はその6つの習慣を紹介していきます。
①全体最適の習慣
「全体最適」とは、言い換えると会社にとってのベストを常に意識するということ。逆をいうと自分さえ良ければいいという考えは組織どころか自分すら成長が止まってしまう。
全体最適の習慣が身につくと、経営者の視座・視野・視点が手に入り、成長が加速する。一見遠回りに見えるが、全体最適の習慣を身につけることが、個人の成長でも1位になるための最善手だ。(25ページ)
また、全体最適の習慣は仮説思考が鍛えられる。仮説思考が身につくと問題解決能力が上がる。著者は全てのビジネスパーソンにとって全体最適の習慣は必要だあると言及している。
②バリューを出す習慣、日々の価値の積み重ね
初期値のコンマ以下の差は、やがて圧倒的な差となる。(57ページ)
最初に成長の話を出している。同じことを繰り返してもそのままである。なぜなら、1×1はいつまで経っても1のままである。しかし、0.01ずつ毎日成長していたらどうなるのか?1.01 の365乗は37.8であり大きな成長となる。とはいえ、人はそれぞれ成長スピードが異なる。それでも大事なことは、必要なことは全てやり続けることが重要だと著者は言及している。
お客様や関係する人たちの期待を超えるということで、まさにバリューを出す習慣だ。(70ページ)
バリューを出すということはその人たちの期待を超えなければならない。アンカージャパンではカスタマーサポートを内製化したことにより、製品の改善に力を入れている。これも一つのバリューを出すということである。そういった価値の積み重ねの継続こそが成長を促してくれるのだと言及している。
③学びの習慣
アウトプットの質はインプット×地頭力で決まり、地頭力は思考回数の蓄積で決まる。(77ページ)
先ほどのバリューを出す習慣に続いての具体的な行動が学びの習慣である。そこで重要となるのがアウトプットである。アウトプットの質はインプットとその人の思考した回数で決まる。思考した数はその人の地頭力で決められる。地頭力は自分で考える力である。ここで著者は地頭力を鍛えることを推奨している。
「過去こうだったから今後も変えずに同じことをやったほうがいい」は、成長しない人の考え方である。(91ページ)
人間はラクをしたがる動物で、慣れているのもを手放すことは簡単ではない。だが、人は失敗したときに初めて今の知識や手技に疑問を持ちそれらを修正、アップデートしていく必要があると考えるようになる。ここで重要なのはいかに素直になって受け入れることである。これがラーニングのアンラーニングの繰り返しあり、成長していくための要素であると著者は言及している。
④因数分解の習慣
これはほんの一例なのだが、上司から「売上を上げてほしい」と言われたとき、「どうしよう」とあわてる前に落ち着いて「分けて考える習慣」を身につけよう。なるべく細かく分解できたほうが課題が明確化しやすいだけでなく、より具体的な打ち手をつくりやすい。(123ページ)
問題や課題を分けて考えることを習慣にすることでそれぞれの課題が明確になってわかりやすくなる。そこから何をすれば良いか、何が必要かが鮮明に見えてくるのだという。そのためには全体最適の習慣が鍵となる。その習慣で大切な大局観や仮説思考が発揮される。
⑤1%にこだわる習慣
100%には2つの意味がある。一つは周囲から見て完璧な状態を目指すこと。もう一つは自分なりの100%を目指すこと。(182ページ)
ここでは99%と100%は全く違う次元の話であると言及している。
まず前者だが、これは今まで当たり前にやってきたことの積み重ねの結果である。アンカージャパンでは魅力的な商品を作り続けそれを販売し続けることだと言及している。お客様にこの商品は魅力的ですねと言ってもらえるために、自分が購入する立場での体験が一番強く印象に残るのだと言及している。だから、カスタマーサポートだったり、オンラインだけでなくアンカー専門の店舗を置いたりという戦略にも納得がいく。
次に後者だが、この1%の差を埋めるにはちょっとしたこだわりに頭を捻り続けていくしかない。そのためにはやり抜く力(グリッド)が鍵になる。そして、100%に近づくためには当たり前のことは当たり前にやることが重要となる。努力はやれば必ず報われるものではなく、成功するための必須条件だと考えた方がいいだろう。
⑥サボる習慣
仕事の生産性を上げるには実はサボったほうがいい。(234ページ)
言い換えると、適度に気分転換を推奨している。著者は長時間机に向かうくらいなら途中でジムに行ったり、カフェで息抜きした方がいいと言及している。その理由として、長時間机に向かったことで頑張った感に浸ってしまうからである。その達成感は良くない。サボることには様々なメリットがあり、それはコンディションが整うや脳がリフレッシュする、アイディアが浮かびやすくなるなどが挙げられる。
「やり抜く力」とサボることはトレードオフではなく、むしろ相関する。(247ページ)
最初にも言っていたが、成果を出すのに時間の長さは関係ない。重要なのはインプットと思考回数の掛け合わせの量と思考回数つまり行動量の掛け合わせである。
以上が、6つの習慣である。最初に言及した1位とは一握りの天才だけでなくてもなれるものであり、それは遅すぎるからなれないというものでもないということです。
挑戦のスタートに遅すぎることは決してありません。アンラーニングとラーニングを繰り返すことで、人間は何歳になっても成長することができると信じています。(254ページ)
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