トップジョッキーから学ぶメンタルマネジメントの極意

メンタルマネジメント

仕事やスポーツにおいて生き延びて勝ち続けるために関連して『頂きの挑戦 負け続けた末につかんだ「勝者」の思考法』(川田将雅 著、株式会社KADOKAWA)の著者はこう述べています。

最近思うのは、状況を察する能力や、事象を受けて考えるという作業が、ないがしろにされているのではないかということです。(175ページ)

つまり、周りを見る意識と経験したことに対してその場で振り返る作業を怠らないことが生き延びて勝ち続ける鍵であると思われます。

2022年にJRAでの最多勝利、最高勝率、最多賞金の三冠という偉業を成し遂げた著者。近年大変注目されているジョッキーではないかと思います。しかし、彼はすべてが”負けからのスタート”であったと執筆された時にそう語っています。

そんな彼は最初は負けからのスタートだったと本書で語っています。

元々、負けたままで終わることだ許されなかった厳しかった子供時代を過ごしていました。著者も筋金入りの負けず嫌いであったことも含めて、ジョッキーになるなら日本一を目指すしかないとそう思っていたそうです。

母からは「負けたままでは終わってはいけない」ということを嫌というほど体に叩き込まれて育ちましたから、ジョッキーという立場に置き換えれば、「リーディングジョッキーにならなければ勝ったことにはならない」と、僕はデビュー当時から思っていました。(中略)まぁ、それがいかに難しいことか、のちのち思い知らされるわけですが…。(69,70ページ)

きょうは第2章「トップに立つための思考法」のなかから、結果を出すための考え方を2つ抜き出したいと思います。

競馬学校に入学した著者は最初、周りから下手くそといわれまくり、その後落馬し骨折をします。そして、わずか10日で挫折し辞めようと決意をしました。しかし、辞めることを反対され、行き場がなくなります。著者はそのまま学校を続けてジョッキーになる道しかありませんでした。そんな彼は馬の乗り方について研究をし、復帰して約1ヶ月後の実技試験で1位を獲ります。

その方法は、当時競馬学校で一番上手い騎手のマネをすることです。しかし、著者とは体格も全然違うので、自分の体型に置き換えて考え、想像して試行錯誤をして実践し続けた結果であると著者は語っています。

「津村とまったく同じ乗り方をすれば、僕も褒められる。あの乗り方ができれば、絶対に怒られることはない」とはいえ、津村は背が高く、手足の長さも自分とは違いました。似たような体型であれば別の話ですが、僕の体でやみくもにも津村の真似をしようとしたところで、再現性は限りなく低いでしょう。だから津村の乗り方を、自分自身ん体のサイズに置き換えて再現する必要がありました。(82ページ)

おそらく競馬に限らず、仕事やスポーツなどにもいえることではないでしょうか?

それにしても骨折をしてわずか1ヶ月で結果を出したというのも、説得力があると思います。

大事なのは、考えること、察すること、想像すること。そして、そこから判断して実践し、成果を得ること。

競馬に限らず、ビジネスの世界でも同じことが言えるかもしれないですね。

その後騎手デビューを果たした著者はまず40勝という目標を掲げますが、実際は16勝と惨敗。著者はこのまま消えるかもしれないという危機を感じていました。

そして騎手として生き残るために2つのスタンスを掲げます。

①目先の1着を先に取ること。

負けてしまえば次は違う騎手に乗り替わりになってしまうということです。その頃の著者に求めらていたこととして、関係者はまず目先の結果が欲しい。ならば実力で騎乗してもらえる機会を作るしかないと考えました。

②8着争いに勝つこと。

しかし、現実として勝つ見込みのある馬の騎乗依頼はほとんどありません。でも選んでもらえるには何がなんでも8着までには入るということをめざすしかありません。なぜ、8着かというと賞金がその馬の関係者に入るからである。この結果を目指す姿勢こそが競馬関係者の求めているということだと思います。けれど、負けることが多いのが現実です。もし負けたとしても、仕方がないかと関係者が納得してもらえるようにすること。関係者の不満が残らない競馬を心がけ続けたということがジョッキーとして生き残り続けた信条であるといえます。

僕が常に意識しているのは、今の自分に何が求められているのかを察して、それを実行すること。その選択が間違っていたとしてもいいと思うのです。実際に僕もたくさん失敗してきましたし、ダメだった、失敗だったらとなったら、そこで学んだことを次につなげていけばいい。最悪なのは失敗を失敗のままで終わらせてしまうことです。僕は絶対に、そんなもったいないことはしたくありません。(95ページ)

こうして、自分に何が求められているのかを常に考えることで結果、デビュー3年目で初の重賞初制覇となった。

「結果」を出すということは簡単なことではありません。しかし「結果」を出している人の行動に注目し、自分に何ができるのかを把握しその人に近づいていくこと。近づくためには何度も行動をし、その都度フィードバックをしていくことの大切さ。さらに、自分の立場というものを知り、目指すべきゴールが何なのかを理解することで周りが求めている「結果」に辿り着くのかもしれません。

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